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ジェシー・リバモアとは
ジェシー・リバモア(Jesse Livermore、1877-1940)は、20世紀初頭に活躍した伝説的な投機家です。「ボーイ・プランジャー」の異名を持ち、当時の株式市場で何度も大金を稼ぎ、また失いました。特に1907年の恐慌と1929年の大恐慌を事前に予測して空売りし、数百万ドル(現在の価値で数億ドル相当)を稼いだことで有名です。
リバモアの投資人生は、極端な成功と失敗を繰り返した波乱万丈なものでした。何度も破産し、そして復活を遂げています。彼の投機手法や市場分析は、現代のトレーダーにも大きな影響を与え続けており、エドウィン・ルフェーブルによる『相場師リバモア』(原題:Reminiscences of a Stock Operator)は、投資の古典として今も多くの投資家に読まれています。
リバモアの投資哲学
リバモアの投資哲学は以下の考え方に基づいています:
「重要なのは正しいか間違っているかではなく、利益を出しているかどうかだ」
リバモアは、市場は常に正しいという考えを持っていました。自分の分析や予測よりも、実際の市場の動きを重視し、それに従う柔軟性を持つことが成功の鍵だと考えていました。
彼の投資哲学の核心は以下の点にあります:
- 忍耐の重要性 – 最高の投資機会が来るまで待つ
- 市場心理の理解 – 群衆心理を読み、それに流されない
- トレンドの尊重 – 明確なトレンドが現れるまで大きなポジションを取らない
- 損失の早期確定 – 間違いを認め、すぐに損切りする勇気
- 勝ちトレードの継続 – 利益が出ているトレードを長く持ち続ける
リバモアの主要な投機戦略
相場の流れに乗る
リバモアは、市場のトレンドを見極め、その流れに逆らわずに乗ることを重視しました。彼は次のように言っています:
「市場は常に正しい。意見は往々にして間違っている。」
実践方法:
- 主要指数や注目セクターの明確な上昇・下降トレンドを確認する
- トレンドが確立されるまで大きなポジションを取らない
- トレンドが続く限り、ポジションを維持または増やす
- トレンド転換の初期サインが見られたら、利益確定を検討する
ピボットポイント理論
リバモアは、株価が過去の重要な高値や安値(ピボットポイント)を突破したとき、大きな動きが続く可能性が高いと考えました。
ピボットポイントの見極め方:
- 過去の重要な高値・安値を特定する
- それらのレベルへの接近を注意深く観察する
- そのレベルを突破した場合、トレンド継続のサインとみなす
- 突破できなかった場合、トレンド反転の可能性を考慮する
下図は、ピボットポイントを利用したトレード戦略を示しています:
株価 ↑ | ● | / \ | / \ | ● / \ | / \ / \ | / \ / \ | / \/ \ | / \ | / \ | / \ | / \ | / \ | / \ |/ \ +----------------------------------> 時間価格と出来高の関係性分析
リバモアは価格の動きだけでなく、出来高(ボリューム)の変化も重視しました。彼は、出来高が価格の動きを「確認」すると考えていました。
価格と出来高の関係性分析:
- 価格の上昇に大きな出来高が伴えば、上昇トレンドの確認
- 価格の下落に大きな出来高が伴えば、下降トレンドの確認
- 出来高が増えずに価格が動く場合、トレンドの持続性に疑問符
下表は、価格と出来高の関係性とその意味を示しています:
価格の動き 出来高の動き 意味合い 上昇 増加 強気トレンドの確認 – 買いのサイン 上昇 減少 トレンドの持続性に疑問 – 注意が必要 下落 増加 弱気トレンドの確認 – 売りのサイン 下落 減少 下落の勢いの弱まり – 底打ちの可能性 横ばい 急増 大きな動きの前触れ – 警戒が必要 セクターの強さを見極める
リバモアは、強いセクターの中の強い銘柄に投資することを重視しました。市場全体が弱くても、強いセクターは上昇することがあります。
セクター分析の手順:
- 主要セクターのパフォーマンスを比較する
- 相対的に強いセクターを特定する
- そのセクター内で最も強い銘柄を選定する
- 全体相場の方向性と合致するタイミングでポジションを取る
試し買い戦略
リバモアは大きなポジションを一度に取らず、小さな「試し買い」から始め、トレードが成功したら徐々にポジションを増やす戦略を採用していました。
試し買い戦略のステップ:
- 小さなポジションで市場をテストする
- 予想通りに動いた場合、ポジションを増やす
- さらに予想通りに動いた場合、再度ポジションを増やす
- 予想と反する動きが出た場合、すぐに損切りする
リバモアのリスク管理手法
リバモアは何度も大きな成功を収めましたが、また何度も破産しています。彼の経験から学べる最も重要な教訓の一つは、適切なリスク管理の重要性です。
リバモアが実践したリスク管理手法:
- 損切りの徹底 – 投資判断が間違っていると認めたら、すぐに損切りする
「小さな損失を取り、大きな損失を避けよ」
- ポジションサイズの管理 – 一つの銘柄や一つの取引に資金を集中させない
- 利益の一部確定 – 大きな利益が出た場合、一部を確定して元本を守る
- 逆張りを避ける – 下落相場で底値を狙ったり、上昇相場で天井を狙ったりしない
「誰も相場の底値も天井も当てることはできない」
- 感情のコントロール – 感情に流されずに、計画に基づいた取引を行う
「トレーダーを破滅させるのは市場ではなく、自分自身の感情だ」
投機家としての心理戦
リバモアは、投資成功の80%はメンタル面にあると考えていました。彼の心理戦略には以下のようなものがあります:
- 孤独な決断 – 他者の意見に流されず、自分の分析に基づいて判断する
「市場で成功したいなら、考えることを自分自身に任せ、決して群衆の一部になってはならない」
- 感情の排除 – 恐怖や貪欲といった感情を排除し、冷静に判断する
「感情抜きでトレードすると、すべてがもっと明確になる」
- 自己規律 – 設定したルールを厳格に守る
「ほとんどの人間が損をするのは、自分に課したルールを守れないからだ」
- 忍耐 – 最適なタイミングを待つ
「お金を稼ぐのは、行動することではなく待つことによってである」
現代市場におけるリバモア戦略の活用法
100年近く前のリバモアの戦略は、テクノロジーの発展した現代の市場でも有効です。現代的なアプローチとしては:
- テクニカル分析ツールの活用
- 移動平均線でトレンドを確認
- ボリューム指標で出来高の変化を分析
- サポート/レジスタンスレベルでピボットポイントを特定
- セクターETFの活用
- 個別銘柄選定の前に、セクターETFのパフォーマンスを比較
- 強いセクターを特定してから個別銘柄に投資
- リスク管理の自動化
- 事前に損切りラインを設定
- ポジションサイズを資金の一定割合に制限
- 利益確定の目標値を設定
- 市場心理の分析
- VIX(恐怖指数)などの指標を活用
- SNSやニュースの感情分析を参考に
リバモアから学ぶ教訓
リバモアの波乱万丈な人生からは、多くの貴重な教訓を学ぶことができます:
- 成功しても慢心しない
- リバモアは何度も大金を稼ぎ、また失いました。成功に慢心せず、常に謙虚さを保つことの重要性を示しています。
- 市場は常に正しい
- 自分の予測や分析が間違っていると市場が示しているなら、それを素直に受け入れるべきです。
- 損切りの重要性
- 小さな損失を早期に確定することで、大きな損失を避けることができます。
- 相場には常に繰り返すパターンがある
- 相場の歴史を学ぶことで、将来の動きを予測する手がかりを得ることができます。
- 精神的な強さの重要性
- 投資の成功は、技術的な分析能力だけでなく、精神的な強さにも大きく依存します。
まとめ:リバモアの名言
最後に、リバモアの投資哲学を表す名言をいくつか紹介します:
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ジェシー・リバモアの投機戦略:市場の天才から学ぶトレード手法
有名投資家の戦略と名言

